●専門家も警鐘を鳴らすペダリングによる骨や筋肉への影響
筑波大学の人間工学の専門家の協力を得て、改めてピアノ演奏用シューズ開発の原点であるペダリング時の足の筋肉への負担軽減の効果を実証実験によって検証。
子供に限らず自宅での練習では、足にフィットしないスリッパを使用したり、あるいは靴下を履いた素足でペダリングを行う方もいます。実証実験によれば、ペダルを踏み込んだ時の足の負荷は5キロから7キロにも及ぶことがわかりました。特に足の形が決まる前の成長期の子供にとっては、ほぼ右足だけを使い、ペダルの大きさに対応するために指まで使って踏むことによる不均衡で無理な動作が、子供の骨に深刻な影響を及ぼすとして警鐘を鳴らしています。
■足立和隆先生(筑波大学体育系准教授)
ペダリングでは、5キロから7キロの力が右足だけに掛かり、発育期の子供の場合、適した靴を履かないと骨の発達に影響します。ピアフィットは靴底の堅さや形状、踵部の湾曲が人間工学的に理にかなっています。特にペダリング動作が楽に、思い通りになるのは、支点が足関節の真下近くに来るためです。その結果、足への負担や意識が軽くなり、脳の働きを指の動きに集中させることができます。
公園にあるシーソーの中央付近に立つと、より少ない力でシーソー全体を左右に動かすことができます。ピアフィットも同様で、足と一体になるように包み込まれた踵部分が、地面に対して支点として安定することで、踏み込むのではなく、足先を下ろす程度の力で、軽快なペダリングを実現させているのです。
■筑波大学との実証実験(2022年9月)
茨城県つくば市内のピアノスタジオで、プロを含むピアニストの方々を集めて、ペダリング時の足の負担を数値化し、ピアノシューズとピアフィットの効果を実証するための実証実験が行われました。これは、リトルピアニスト商品(ピアノシューズ&ピアフィット)とそれ以外の多様なシューズやスリッパを履いて足の負担を測定し比較するもので、筋電図や加速度計による測定の結果、ピアフィット装着時には主に筋肉負担や足の左右のぐらつきが減少していることが証明されました。
実証実験では、被験者(ピアニスト)の足の動きで筋肉にどのような負荷がかかっているかを明らかにするために、つま先を持ち上げる時に使う「前脛骨筋」、つま先を下す時に使う、「腓腹筋」と「ヒラメ筋」、そして横方向の動きに関係する「長腓骨筋」という4つの筋の動きを筋電図によって調べました。さらに靴の先端には加速度計を装着し、左右のぶれや動きを計測しました。その結果、ピアフィットを履いた場合は、筋活動は他のスリッパ等より明らかに負荷が小さく、さらには加速度計でも左右のぐらつきが少ないことが明らかになり、ピアフィットがペダリング時の安定感に寄与していることがわかりました。
LittlePianist商品を人間工学的な視点から解説動画(筑波大学准教授 足立先生)